英語は日本語と比べて直球的な、ダイレクトな表現である、と思っている人も多いかもしれません。しかし、アメリカでは意外にも婉曲表現がよく使われます。
Euphemism(婉曲表現)とは
直接的表現を避けたり、角が立たない、少しぼやかした言葉や描写を選んで話をすることです。
日本語にはたくさんの婉曲表現が使われますが、実は英語も色々な表現が存在しています。
代表的な例をいくつか挙げてみました。
「死んだ」
日本語にも「死んだ」と言わずに「亡くなった」という表現があるように英語も「died」と言わずに「passed away」と言う表現を使ったりします。
「おしっこ」「うんち」「トイレ」
幼児用語と紹介されていることもあるのですが、これも婉曲表現の一つです。
おしっこを「number one」、うんちを「number two」と言うことをご存知の方もいらっしゃると思います。
トイレとはっきり言うのを避けたいアメリカ人は「restroom」「bathroom」を使いますね。「toilet」というと便器を想像してしまって、用を足している行為をリアルに想像してしまうのでそこを避けたいわけです。 ※英国ではそうでもないそうです。
「解雇」「就活中」
「lay off」とはっきりと口にしたくない場合によく使われるのが「let go」です。解雇という意味だけでなく関係を断つときにも耳にすると思います。
「in between jobs」、「仕事と仕事との間」イコール「仕事を探している」という意味になります。通常この時は働いていないけれど積極的に仕事を探している、という意味合いになります。敢えて、「unemployed」ということを避けていますね。
いつ、誰が使うのか?
会話中皆さん使います。
ただし、ニュースなど情報をはっきり伝える時は用いられることはあまりありません。例えば「事故で何人かが犠牲となった」というニュースでは「died」「killed」と表現されることが多いと言えます。婉曲表現で「lost one’s life」と表現されることもあります。
詳細を直接的に口にしたくない時に使われるので悪い事柄や言いにくい事の描写に使われ、細かいところを聞き手の想像に任せます。
他方で聞き手の想像を掻き立てるために敢えて別の言葉で表現する、という事も作家や映画の中でよく見かけられると思います。
そこには言い手の性格や時代背景が見受けられ、そこを知らないと???となってしまうかもしれません。
英語学習教材でよく推奨されるsit comや芸能人や著名人インタビューでよく耳にするので参考にしてみてください。
政治に興味のある人は米国ホワイトハウスでのpress briefingをYouTubeで見てみるのも良いと思います。政治でははっきりということを避けたい時が多々あるので婉曲表現が巧みに使われています。
終わりに
「大人な会話」の場でこの婉曲表現が使いこなせれば立派な英語力だと言えるでしょう。
逆にいうとそこそこ話せるのにいつまでも直球的な表現を使っていると少し無骨に聞こえ過ぎたり、幼稚に聞こえたりもするので注意が必要です。
まわりくどいな、と思うかもしれません。けれどこれも文化の一部であり、英語をマスターするにはとても大切な事だと思います。
ネイティブスピーカーはもちろん組んでくれます。しかし上級レベルとなればそのあたりも押さえていきたいポイントだとも考えます。
頑張ってください、応援しています。