仕事場で英語を使う人には読んでもらいたい一冊と出会いました。
ネイティブスピーカーにも高く評価されているすごい著者
著者の西真理子氏はものすごいプロフィールのお持ちの方です。かなりざっくりとご紹介します。
外国や英語とは無縁の環境で育ったのですが、中学一年生のときNHKの「基礎英語」と出会って彼女の英語人生がスタートします。
大学卒業後、外資系企業に転職したときに自分の知っている英語が全く通用しないという危機感の下試行錯誤の結果、日本人初の米国公認秘書検定(1995年)及び米国上級秘書検定(2002年)に合格されています。
そもそもアメリカにもそんな検定があるんだ、と学んだ筆者ですが、プロフィールを覗いただけでも彼女の頑張りは伝わります。
外資系の秘書職についた著者は自分が学校で教わってきた英語がヤバいという現実を突きつけられるのですが、仕事上「わかりません」といえない、という逃げ場のない状況を綴ってらっしゃいました。
わかる
筆者も在米時代約20年ほどほぼネイティブ相手にお仕事をし、はたまた起業もしたのですが、初めは泣きたくても泣けない、辛い時間を味わいました。
読み進めていくと、
わかる!!
の連続で、これは実際経験した人でないと同調できない、「現実」がとくとくと語られています。
本の構成
こんなふうにまとめられています
- 序章 英語の基礎固め!「品詞」と「文の構成要素」をマスター
- 第1章 ネイティブ感覚をつかむハイクラス英文法
- 第2章 シンプル英語が効く!電話、来客、Eメール
- 第3章 ネイティブに一目置かれるパンクチュエーション
- 第4章 知らないでは済まされないビジネス英単語
やっぱりちゃんとした文法は必須、ということなのです。著書にもありますが、ちゃんとした文法が押さえられてないと真剣に取り合ってもらえません。
厳しいですが、本当です。(逆も考えてみればお分かりできると思います)
特に、第2章で取り上げられているシンプル英語や第3章のパンクチュエーションの付け方はビジネス英語学習者だけでなく、一般学習者全員必読です。
昨今は少なくなったかもしれないのですが、電話応対の仕方、来客対応の仕方が紹介されていて、「知りたかった!」と叫ぶ読書続出だろうと思います。ワーホリに行く人も読んでね。(ワーホリってバイトっぽく考えている人もいるかもしれませんが、雇用者側からしてみたら雑な英語しか喋れない人には雑な仕事しかさせたくありませんから)
そして第3章のパンクチュエーションの付け方、ネイティブの教養と記されたこの章ではコンマだけではなく別のパンクチュエーションについてわかりやすく説明されています。
筆者も在米初期、ましてJapanで英語を勉強していた時、やたらコンマを打っていたということが全く理解できておらず、テストでも❌をくらったり、ネイティブに?とされたりしました。
Let’s eat Grandma! Let’s eat, Grandma!
Punctuation saves lives!
本書158ページより、『Grammar for People Who hate Rules』(Kathleen Watson)より
お分かりですよね?コンマがないとおばあちゃんを食べちゃいます。(この例は面白いやつですが本書では真面目に取り合っています)
終わりに
最後の最後まで、「わかる」と言い続けさせられたこの本、おすすめです。外資系でマーケティングの仕事をしている人には第4章を強くお勧めします。
これをアプリシエイトできる人は沢山いると思うのですが、実際英語を使ってお仕事をしている人こそ読んで、「わかる、でも自分も昔はそうだった」と思い返してみて、そして自分の成長を実感してもらいたいものです。
これから英語を使ってお仕事をしていく人たちにも予習として読んでいただきたいのですが、落とし込めるのは実際そんな状況に直面して、失敗して、ぎゃーっと言って、巻き返した時だと自分の経験からお伝えしておきます(何事においてもそうですけど)。
きっと西氏もそんなぎゃーを山ほど体験してこの一冊にまとめたのだと思いますし、きっと彼女も「あれ笑っちゃうよねー」とたまにくすくすしながら執筆されたんじゃないかと想像しちゃいました。
2019年に出版されてからテクノロジーの前進で秘書というお仕事がなくなりつつあると聞きましたが、西氏ほどの敏腕秘書を抱えられる人は幸せ者だとも思うのです。
ChatGPTにはできない、温かい人間ならではのお仕事はまだまだ世の中は必要としているのです。
しかし「英文法大全」にしろこれにしろ真っ白なん?