CULTURE

【映画】Green Bookを観ました(ネタバレ有り)

おはようございます。今日はインディアンサマーと申しましょうか、広島はとても暖かく最高気温が26度になるだろうと予測されています。そんなぽかぽか暖かい中、昨日の夜アマゾン・プライムで観た映画「グリーンブック」をご紹介したいと思います。ネタバレ盛りだくさんですがお付き合いください。

あらすじ・主要キャスト

2018年に公開されたアメリカ映画で、1962年イタリア系白人が黒人天才ピアニストに用心棒兼運転手として雇われアメリカ南部にコンサートツアーをして行くうちに全く相異なった二人が友情を築いていくというお話です。タイトルであるグリーンブックとは、1950〜60年代に人種差別の激しかったアメリカ南部を旅する黒人のための施設利用ガイドブックのことです。映画の中でも紹介されていますが当時白人と黒人は完全に差別化されていて宿泊先はもちろんレストラン、トイレ(映画ではなかったですがバスなどの交通機関も)別々、黒人用はとてもひどい状態のものが常でした。

トニー・”リップ”・バレロンガことイタリア系がらっぱちを演じるのは「ロード・オブ・ザ・リング」三部作で有名なヴィゴ・モーテンソン氏。こちらはアカデミー主演男優賞にノミネートされています(受賞したのは「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレック氏)。彼は俳優業だけでなく写真家、詩人としても活躍されています。

かなりお高くとまったカーネギーホールの上の階で暮らしている黒人天才ピアニストドクター・ドナルド・シャーリーを演じるマハーシャラ・アリ氏はこの役でアカデミー助演男優賞を受賞しています。他にも数々の賞を受賞している実力俳優さん、なんとカリフォルニア州オークランド出身。ひょっとしたら筆者在米中街ですれ違っていたかもしれません。主な作品は「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」や「ハンガー・ゲーム」シリーズなどがあります。

観てない方のために予告のリンク貼っときました。

感想

根深い人種差別問題をそこまで深刻な描写で届けなかったところに意義があった気がします。綺麗にまとめすぎる、と感じる人もいらっしゃると思うのですが、案外こういったシーンの方が現実に近かったのではないかとも思うのです。例えば最初頃に出てくる黒人男性が水回りの修理をしにバレロンガ宅にやってくるところとか、トニーの奥さんがレモネードを出したり、トニーがそのグラスを捨てたり、奥さんが気がついてゴミ箱から出したり、トニーの身内が集まってやいのやいのしている辺りは結構普通にあったと思うのです。人種差別問題を取り上げるととにかく暴動というイメージがありますが、事件があったら暴動なのであって、暴動のない日常はお互いなんとかすり合わせをしている様子が紹介されてありました。トニーの奥さんに一票です。

トニーのガサツながらっぱち感、しかしドクター・シャーリーを放っておかない人間味が好感度を上げています。フライドチキンのシーンがまさにそうで、お箸を使っていた筆者を見て、

魚は手で食え

と教えてくれたばなな君を思い出してしまいました。実話を元に作られた映画ですから各役の描写は事実に沿って行われていると思うのですが(トニーの実息子が脚本を手がけています)いや〜トニーよく食べます。食べるシーンが多いです。イタリア系だからかな?インスピレーションはジョー・ペシ氏かと推測します。フライドチキンが食べたくなりました。

沢山の理由で常に壁を作っているドクター・シャーリーが勇気を出してフライドチキンを食べて骨をポイ捨てするシーンやトニーの奥さんへの手紙を最後に修正しなかったところなど、彼が少しずつ血の気の通った人間化して行く様子も典型的なんですが、いいです。

「黒でもない白でもない」加えてゲイの彼は当時どうやって毎日を送っていたのだろうと考えてしまいます。カーネギーホールのマンションで高級品に囲まれて一人暮らす日々、孤独だったろうと思います。そんな彼がトニーという白人を雇ってアメリカ南部に巡業に行くと決めたのはやはり何かしら大きな理由があったろうと考えます。特に教養のない人間でよければ黒人を雇っただろうと思うのですがあえて白人を雇うことによって白人の上に立ちたいという欲求を満たしたかったんだろうと推測します。

ロバート・ケネディと電話できるほどの人なので南部の状況はわかっていただろうと思いますが、バーでボッコされてしまう所や売春で捕まっているところからしたら頭でっかちだったのかもしれません。そんな彼をそのまま受け止めているトニーに一票です。けれど最後のリサイタルをぶっちして黒人バーでの演奏、さらにトニーをクリスマス・イブまでに家に帰させるように雪の中自分で運転する変容したドクター・シャーリーにも一票です。

英語学習の観点からも良い

トニーとドクター・シャーリーとのやり取りでボキャブラリーのチョイスや発音の仕方を比べるととても面白いです。トニーのイタリアンアクセントの聞いた粗暴な表現やドクター・シャーリーのお堅い喋りから学べるものは沢山あります。ヴィゴ・モーテンソン氏、いい仕事してます。ノミネートされただけありますね。南部訛り(southern accent)に興味のある方にもおすすめです。

英語にも「〇〇弁」といった訛りがあります。トニーのニューヨーク、ブロンクス街のイタリアンアクセントやアメリカ南部の南部訛りは代表的なものの一つです。

 

終わりに

アカデミー作品賞も受賞したこの映画、筆者的には好きです。やはりハッピーエンドで締めくくってくれる映画は良かったなぁと素直に受け取れます。最後のシーンは本当にアメリカを象徴しているようで、「家族」=「自分がいてもいい場所」と示しています。同じようなスタイルで当時の人種差別をコミカルに描いた「ヘルプ〜心がつなぐストーリ〜」という映画もおすすめです。

ABOUT ME
ロデニの娘
広島県出身。1996年日本脱出、在米期間20余年に終止符を打ちトルコへ引っ越す。2022年1月に緊急帰国、同年7月末にトルコへ戻るが2ヶ月後9月末に再度日本へ舞い戻り。気がつけば人生半分以上海外で生活してきた昭和からアップデートできていない人。水瓶座のA型。スープと麺類大好き。

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